2008.07.29(火)だいぶ前。『マルチチュード』1 // Baby cruising Love Untitled RMX
Baby cruising Love Untitled RMX
by K.466
さてお話変わって
[20080729]少し前に『ディオニュソスの労働』を買ったのにまだぜんぜん読んでない記念
『マルチチュード』(上、下) A. ネグリ、M. ハート 訳:幾島幸子
日本放送出版協会、2005
私が某所で最初に書いたレヴューが『帝国』だったのだから、これについて書かないわけにはいくまい。
ああ、もう相変わらずだこいつらは。
これはおそらく、今回も、批判を要求しているということなんだろう。
ネグリ=ハートの基本的論点に対してある意味で全面的な批判をおこなっているピエール・マシュレ(やはりアルチュセール門下であったランシエールが『帝国』について批判的にコメントしていたことが思い出される)は、しかしながら、この書に対して、実にすばらしい賛辞を寄せている。
マシュレの賛辞は社交辞令ということになるだろうか?
『帝国』に対し、「まだ「青春」してる」などという評があったようだ。私はそれを直接は目にしていないが、まぁ言いたいことはわかる。
では、つつがなく青春を終えた人間ならば、どんな展望を示すことができるというのか。
ネグリ=ハートの議論には、その粗っぽさは別にしても、何か致命的なところがあるのかも知れない。
彼らの議論についてはすでに多くの言及があるし、何が問題なのかは、大体は見えているのではなかろうか。
おそらく、そのうえで、彼らの仕事はやはり読まれるべきなのだ。
内容については、この本の副題をご参考に。
ちなみに、雑誌『現代思想』での市田・小倉の対談は、かなり突っ込んだ内容となっており、良い。
そしてやはり書かずにおれないのだが、NHK出版から出るとは思わなんだ。
・2005年11月9日 [後で校正、2008年7月29日修正&コピペ]