2008.10.16(木)Fan Service bitter がやっぱり好き // セラミックムガール【インドのスターが踊ってくれたよ】

[20081016]GAMEツアーのDVDが出るまでに『Fan Service bitter』について書いておこうと思ってたけど、もうリリース日を過ぎてしまった、のだが、けっきょくまだ買ってないし見てないので、買うまでにいちおう書こうと思っている。たぶん ⇒
そういうわけで。 はい。


Fan Service bitter は、2007年3月にリリースされたライヴDVD。当初は限定盤(写真集付)だったが、08年2月に通常盤として再発。このライヴ盤について、多くのファンによってすでに語られている以上のことをここで書くことは難しい。とにかくこの盤でPerfumeの真価は十二分に堪能できる。ワタシとしては、一つの点をとくに強調しておきたい。それは、このライヴが収録された時期についてだ。

06年12月、原宿アストロホールでのPerfumeのライヴは、DVD化を前提におこなわれている。
なぜこの時期が特別なのか。
まず、06年8月の『Complete Best』のリリース後ということ。当初は限定盤だったこの1stアルバムは、アルバムとはいえ新曲は1曲のみ、これまで出たシングル収録曲からなる「ベスト盤」的な性格の強いもの。それゆえファンのあいだではPerfumeの解散を危惧する声が少なからずあった、というのはよく知られた話である。ところがこのアルバムは着実に売れ行きをのばし、通常盤が「Fan Service sweets」(限定シングル)と同日の07年2月にリリースされることになる。その流れのなかで同時にライヴDVDの製作も決定した。つまりこの時期の Perfumeは、今までにない広汎な支持を次第に集めはじめ、ともかくも活動を継続することができるようになった、ということ。裏を返せば、 Perfumeなるものの魅力のコアがこの頃までには出来上がっており、だからこそ認知と評価を得たということでもある。また状況の前向きな変化が、 Perfumeのメンバーおよびスタッフには大きくプラスに作用しただろう。

次に、それが「Fan Service sweets」、すなわちあの「チョコレイト・ディスコ」のリリース前だということ。「チョコ〜」は楽曲的にも、またPVにしても、それまでの Perfumeとは少し趣の異なる、アッパーな破壊力を持った曲だった。それこそ「何か外れた」とでも言いたくなるような。木村カエラがこの曲のPVを見てPerfumeを気に入り、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で「チョコ〜」をかけまくった、というエピソードは頻繁に言及されるし、それがブレイクにつながったというのはほとんど定説になっている。たしかにそれはブレイクの大きな要因の一つだったのだろう。さて、『Fan Service bitter』で見てとれるのは、木村カエラ云々とかかわりのないPerfumeのパフォーマンスだ。もしこのライヴ盤に「チョコ〜」が入っていたら、それはもうとんでもないことになっていただろうと思う。しかし「チョコ〜」がなくても、この盤においてPerfumeの実力は遺憾なく発揮されている。

つまりは、そういうことだ。『Fan Service bitter』は、絶妙としか言いようのないタイミングでのライヴを収めている。現時点でPerfumeの“魅力”として評価されているすべてが、すでにそこにある。ポリリズムのヒットにもかかわらず「自分たちは何も変わってない」と語っていた3人は正しい。なんか知らんがえらくブレイクしてるけど、そもそもPerfumeって何者なんだ。その答えがこのライヴ盤だとさえ言えるかも知れない。じゃあその真価って? 天の配剤ともいうべきイノベーションについて、ここでくどくどとくり返してもしょうがない。とにかく、かっこよくてかわいいんだから。ていうか、この盤のために言葉を費やそうとする限り、「かわいい」という単語を使わずに済ますことはほとんど不可能だ。「アイドルにしてはルックスが微妙」、ワタシもはじめの頃はそう思った。でもそういう次元じゃないのだ。形態ではなく、運動。ひたむきさ(そしてユーモア)。音楽および音楽をやってるひとを評価するボキャブラリーとして、「かわいい」は「かっこいい」と比して遜色のないものであるばかりでなく、それらは両立しうる。そして相互に増幅しあう。Fan Service bitter はこのことを証明した。



(たしかにアイドルのライヴ、なので、「このDVDを観れば誰もが彼女たちを好きになる」とは断言できません。キャラの好き嫌いもあるだろうし。とはいえ、過剰な(?)台数のカメラをフルに活用したジェットコースターばりの編集はイカス。落ち着いて3人を見せろという声も多いようだが、ワタシはすごくいいと思う。ま、アイドルのことはぜんぜん知らず、したがってアイドルのライヴもまとまったライヴ映像も見たことがないから、そういう意味でいえば、 Perfumeがどれほどのものなのかってのはわからない。昔のモー娘なんかはちょっと気になったりはしてて、TVで歌やってると少しチャンネルを止めてみる、みたいなのはあったんですが。だからラブマシーンのシングルだけ持ってる(中古)。あ、それと、このライヴ盤では「いきなりフロアはモッシュの嵐」なんてことはない。そういう客層じゃないから。最近のライヴは「モッシュの嵐」っぽいけどね。でもこういう小さいハコで見てみたいのはたしかだ。)っちゅーかとんでもない時間じゃねえか。2時間足らずしか寝れないぞ!!!



はてさて

セラミックムガール【インドのスターが踊ってくれたよ】
(MAD) by mogumix